孫安石研究室
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最終更新日
2006/04/14








  科研「20世紀東アジアにおけるメディア産業と地域社会の変容に関する国際共同研究」
    (科研B、代表:孫安石)
【活動記録】
2006年3月8日−3月10日 函館市中央図書館のポスター、写真、絵はがきコレクションの調査を実施。
2005年6月11日 科研打合わせ・『戦争・ラジオ・記憶』(案)の刊行計画について
2005年7月30日 科研打ち合わせ・『戦争・ラジオ・記憶』(勉誠出版社、2005年12月刊行予定)
2005年8月10日−11日 鳥取県米子市南部町「祐生出会いの館」戦前の印刷とポスター調査
            
「板祐生出会いの館」調査の時の写真(2005年8月11日)
2005年9月10日-11日 『戦争・ラジオ・記憶』編集作業(北海道大学)
2005年11月18日 『戦争・ラジオ・記憶』編集作業(勉誠出版社)
【研究概要】
従来の地域研究と歴史学の分野では、東アジア各国におけるメディア媒体の登場と発展に関する個別研究は進んでいるものの、メディア産業と地域社会の変容の関係については未解明の部分が多く残されている。例えば、ラジオ放送の分野においては東アジア各地域における聴取者の対応がどのような変容を見せたのか、ラジオ受信機の生産と製造販売は各地域でどのような発展をなし遂げたのか、映画分野では地域社会における映画館の機能や映画製作と配給会社の分布が地域社会に与えた影響、そして、音楽レコード分野ではレコード制作と消費網など多くの分野が研究史上の空白として残されている。
本共同研究は東アジアにおけるメディア産業がどのように形成、発展し、地域社会の変容に関連するのか、その実態を解明することを目的とするが、それと同時に欧米のメディア産業が東アジア地域に与えた影響や事業の展開過程についても分析を進める。20世紀に登場したメディア媒体の特徴はインタナショナルないしトランスナショナルな性格をもった電子メディアであったという点である。だが、ハリウッド映画が東アジアに配給されるに伴って地域社会のライフスタイルがどのように変容し、ビクターとコロムビア社のレコードの普及が人々の生活をどのように変えたのか、などはいまだに十分に検討されていない。
本研究はこれらの点に留意しながら中国、日本、満州国、韓国などのメディア産業関連の雑誌や工業協会の雑誌、映画と写真関連の各種画報(『良友』画報、『北洋画報』、『写真週報』など)に掲載されているメディアとライフスタイルの関わりについて検討を加え、その誕生からトランスナショナル的な要素を秘めていたメディア産業の分析を一国史的な歴史叙述でははく、東アジア地域の相互関係やネットワーク論などの視点から捉えなおす新たな視点を提示することである。本共同研究によって獲得されたメディア産業と地域社会の変容に関する成果を基礎に、現代の東アジア地域のメディアと社会の変容をとらえなおす提言を試みたい。

【研究計画】


本共同研究は「萌芽研究」平成14年度〜平成16年度で、その有効性が確認された研究の基本コンセプトを継承し、3つの研究軸(アプローチ)を交差させ、20世紀東アジアにおけるメディア産業の形成と地域社会の変容の全体像を解明することを目指したい。
(1)地域軸=東アジアの地域研究アプローチ(華北、華中、満州、台湾、韓国、日本)
(2)超域軸=トランスリージョナル・アプローチ(米国、欧州などの多国籍企業、帝国の植民地文化政策)
(3)専門軸=テーマ別・アプローチ(政治、外交、産業、社会、文化など)
本研究が地域軸と超域軸を設ける理由は20世紀に登場したメディア媒体の特徴がトランスナショナル的な性格をもっていたという点に求められるため地域軸と超域軸を重複させる必要がある。上記の三つの軸をいかに交差させるかについては研究会打ち合わせの時に意見調整を行うが、研究分担者が三つの軸を交差させた研究を行うように心がけたい。たとえば、中国の場合は北京と上海のラジオ放送の開始に関連する分析と共に、双橋(北京)と真如(上海)の無線送出設備と欧米からの放送機材の導入などについても検討し、三つの軸のバランスととって行きたい。

【研究組織】


孫安石/神奈川大学・外国語学部・助教授/東アジア近現代史・中国都市研究
並木頼寿/東京大学・大学院総合文化研究科・教授/中国近現代史・東アジア比較史
川島真/北海道大学・大学院法学研究科・助教授/中国外交史・東アジア外交政策
佐藤卓己/京都大学・大学院教育学研究科・助教授/日本近現代史・メディア史
貴志俊彦/島根県立大学・総合政策学部・助教授/中国近現代史・情報資料学
清水賢一郎/北海道大学・言語文化部・助教授/中国文学史・メディア学
  
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